金武の鍾乳洞
沖縄県国頭郡・金武町にある鍾乳洞は、泡盛「龍」の古酒用貯蔵庫としても有名です。
鍾乳洞の入口は、金武観音寺の境内にあり、神々に守られて泡盛が古酒として熟成されていく・・格式高く、何とも神秘的なところです。
貯蔵されている古酒は、既に1本づつ購入者の名前が入っており、10年・・20年・・と、主人が飲みに来るまで、金武酒造所が大切に熟成保存しているのです。この鍾乳洞には、古酒の他に、金武酒造所で製造されている豆腐蓉も1年間保存・熟成され、販売されます。
現在は、酒蔵庫の役割も担う鍾乳洞も、大戦中は避難壕として使用され、また戦後は、ロックミュージシャン達が集う、外国人酒場として使用されていたこともあるそうです。
沖縄の蒸し暑い夜も快適に過ごすことができ、且つ、自然の防音設備をフルに活用した、ミュージシャン達には格好な場所だったのでしょう。
沖縄の歴史を感じさせられる場所でもあります。
また、鍾乳洞近くには、金武大川(ウッカガー)という湧水の共同井泉があります。
古の頃からの、地域住民の飲料水の汲み場であり、元日は若水を汲み、夏は涼を楽しむ、地域の語らいの場として人々が絶えない場でした。豊富な水量は乾くことがなく、時代とともに生活環境にあった様式に、幾度か変遷を重ねながら、多くの地域住民から愛されている井泉です。
これが、「長命の泉」と称される所以であり、文化遺産の一つになっています。
古波蔵馬場(クハングヮ ンマウィー)
那覇市楚辺にある城岳小学校正門から、北西向けの三叉路の向かう歩道に、まるで馬のオブジェを見守っているかのように、どっしりした姿をしたガジュマルが立っています。
「古波蔵馬場(クハングヮ ンマウィー)」
この地は、かつて古波蔵馬場と呼ばれ、古波蔵村が、近郷の国場村、与儀村と馬模合を組織して、月に一度、馬勝負(ンマスーブ)をしていた場所です。
勝負に勝った馬は、島尻郡の大会や、那覇の潟原(カタバル)で、年に一回行われた全県大会に出場していました。
馬場(ンマウィー)は、幅10m前後、長さ200mほどで、両側には大人3人がでも抱えきれないほどの大きな松の並木があり、壮観だったそうです。
馬勝負(ンマスーブ)には、宮古馬を使い、早足(足組す/アシクマスン)競っていました。
この場所の馬のオブジェは、当時の写真を元に、実物大に造られています。
また、歩道の大きなガジュマルは、この場所で数十年という長い年月にわたって、地域の人達に愛され育てられてきたものなので、那覇市の景観資源として保全されています。